ノーギョギョ ギョギョ ギョギョー ラボラトリーズ

Now Loading...
最終報告会の開催はこちらから

スローフードという選択肢

2022.01.06

こんにちは、Dチームの松本菜々乃です。

 

先日、「WE FEED THE PLANET 2022 -みんなでつくるおいしい食の交換会」というイベントをマネジメントする濱部玲美さんに「スローフード」について取材をしました。濱部さんは一般社団法人日本スローフード協会の近畿プロジェクトマネージャーで、神戸を拠点として学びと食を軸に企画編集を行う株式会社KUUMAの代表でもあります。冊子のネタバレにならないよう、今回の取材から僕が考えたことをレポートとします。

 

https://www.wefeedtheplanet.org/

 

スローフードは1989年にイタリアで始まり、失われていく伝統的な食文化や食材を見直すことを目的としたグローバルネットワークです。皆さんは「スローフード」と聞くと、どう感じるでしょうか。僕はずっと“遠い話”だと思っていました。それこそ、テレビで流れるニュースのように、同じ時間に起こっているのに過去の出来事のように感じていたのです。しかし、濱部さんはスローフードがテーマとして掲げる「生物多様性の保護」の重要性について触れたうえでこう話します。

 

「人間以外に出た被害は、必ず人間に返ってくる」

 

スローフードは決して人ごとではなく、自分にとっても身近な話題なのかもしれないと感じたひと言でした。過去に開催された「WE FEED THE PLANET」では、学校給食から考えるスローフードをテーマにしたトークセッションがあったそうです。どの入り口からでも構わないから、考えてみる。知ってみる。それが社会を変える直接的な力にならなくても、一人ひとりが意識するきっかけにはなるはず。それが、スローフードという考え方だと僕は思いました。

 

僕らの未来はどこに繋がっているのだろう。僕らの世界はどこに向かっているのだろう。

 

新型コロナウイルスが広まったり、人を傷つける事件のニュースを聞いたりするたびに漠然と不安になって、それと同時に「過ぎてしまったことだからどうすることもできない“遠い話”だ」と自分をなだめていました。だけど、スローフードの取材を通して僕は知ってしまった。もう終わったこと、ではない。絶滅の危機に瀕しても、今まさに誰かが救おうとしている生態系や食材、食文化がある。見てみぬフリをせずに立ち止まって考えることで、僕自身が抱えている未来への不安も消えていくのかもしれない。冊子で紹介する今回の取り組みはきっと、そのスタートラインになる。

 

読んでくれる皆さんにとっても、スローフードと制作中の冊子が未来への新しい選択肢を作るきっかけになればうれしいです。

 

(松本菜々乃/甲南女子大学)